浄土宗、真言宗、曹洞宗と
お寺にはいろいろな
宗派がありますが、
どの宗派も御朱印を書いていただけます。
*日蓮宗は御朱印でなくお題目になります。
しかし、そんな中、御朱印を
書いていただけない
宗派があります。
浄土真宗です。
そもそも御朱印というのは、写経したものを
お寺に納めた時に、その証明書として書いて
頂くもの。
(今は参拝記念色が強いですが)
でも浄土真宗は、念仏を唱えるだけで良いという
考えから、写経をすることがありません。
写経をしないのですから、証明書を発行する必要も無い。
だから、御朱印は書かない。ということになります。
なので、長らく浄土真宗のお寺には
行かなかったのですが(おいおい)
浄土真宗のお寺にもかかわらず、
御朱印を頂いている方が
いらっしゃるのをネットで見たので、
どういうことなんだ!?
と気になり、実際に頂けるかどうか、
確かめに行って来ました。
お寺は、麻布山善福寺。
最寄り駅は麻布十番駅となります。
お寺よりも高級タワーマンションである、
元麻布ヒルズフォレストタワーの
迫力に押されそうですが、
境内へと向かいます。
入り口手前には
「最初のアメリカ合衆国公使宿館跡」
の石碑がありました。
参道を進むと、右手に柳の井戸がありました。
弘法大師が錫杖で地面を突き刺すと
井戸水が湧いて出たと
言われるものです。
更に進むと、立派な門がありました。
勅使門といって、
文永の役(1274年)による
蒙古襲来に際して、
善福寺は亀山天皇の
勅使寺になりました。
門はそれに由来するものでした。
勅使門をくぐり境内へ。
中には、
「最初のアメリカ合衆国公使宿館跡」
の案内板と、初代アメリカ合衆国公使の
タウンゼント・ハリスを刻んだレリーフが
ありました。
これを見て思い出したのが、
日本で最初のフランス公使宿館跡の案内板。
港区は港っていうくらいだから、
外国とのつながりが
ひときわ強い区なのでしょうか?
大使館の数も23区内で一番多いと言われています。
他にも港区のお寺を巡っていれば、
公使宿館跡の記念碑を
見るかもしれませんね。
本堂へ向かい参拝。
本堂の案内板によると、
なんと三度目の移築の末に
この地に落ち着いたようです。
上野の寛永寺も移築と
知ってびっくりでしたが、
3回移築って凄いですね。
参拝後、本堂から少し離れた右手にある
寺務所へ行きました。
御朱印を書いて頂けるか聞いたところ、
大丈夫とのことなので、
御朱印帳を預けて待ちました。
では、できあがりまで由緒でも。
平安時代の天長元年(824)弘法大師空海が、
真言宗を関東一円にひろめるため、
開山したのが、善福寺の始まりでした。
鎌倉時代になると、越後国に流されていた
親鸞聖人が、京へ上る途中、善福寺を訪れました。
迎えた了海上人は親鸞聖人との法談で、
真言宗から浄土真宗に宗旨を改めました。
江戸時代には三代将軍家光による
本堂の寄進などあり、
ますます発展していきました。
ちなみに、虎ノ門は当時の
善福寺の山門だったといいます。
(善福寺から虎ノ門の方角を見ると北東=寅ですね)
現在の地理を考えれば、
相当な広さの寺領だと伺えます。
御朱印、拝受いたしました。
改宗したとはいえ、
浄土真宗のお寺で御朱印を
頂けました。
御朱印には、
アメリカ合衆国公使宿館跡の印が
あるのは、改めてお寺の歴史の一部を
確認できて良いですね。
ご本尊には銀杏御坊佛と記されていますが、
これは、境内にある天然記念物の逆さ銀杏から
きているようです。
親鸞聖人が善福寺を訪れた際、
地面に挿した杖が芽吹いたといわれるもの。
勅使門の右手にあったようですが、
まったく気づきませんでした(汗)
再訪の際はしっかり確認したいと思います。