太子堂八幡神社から三軒茶屋駅へ戻り、
東京学芸大付属高校方面へ、
ひたすら歩くと、
世田谷山 観音寺に着きました。
門の札にもあるように、こちらは
江戸三十三観音霊場の第32番札所です。
境内に入ると、
目の前に鳥居がポツンと立っていました。
「何なんだ!?」と思っていると、
その近くには、空海が高野山に伽藍建立の場所を
定めるきっかけとなった「三鈷の松」があったり、
菩薩像、観音像などが
あちこちにありました。
本堂前には狛犬がいたりと、
なんだか何でもありの
混沌とした空気を感じました。
本堂左手には特攻観音堂と石碑があり、
その近くには「はがき」の語源になったという、
多羅葉樹(たらようじゅ)がありました。
本堂にてお参りをし、御朱印をと
思って寺務所を探すと、
不動堂(六角堂)が
目に付きました。
写真を見ると、とても立派な像なので、
(国指定重文)
実物を見たかったのですが、御開帳の日では
なかったので、参拝だけしました。
不動堂の向かいに寺務所があるのが
見えたので、行ったのですが、
ドアの前には、お爺さんが座って、
イヤホンでラジオを聴いたまま寝ていました。
思い切って声をかけてみると、
どうやら御住職のようで、
御朱印をお願いしたら、
引き受けてくださいました。
書いていただいてる間に、住職がいろいろと
お寺のことを話してくださいました。
その中で、
「うちの観音様は刀印を結んだ珍しい像である」という
のが気になり、拝観できるか聞いたところ、
お堂の中に入って見ても良く、
写真も撮ってもよいとの
ことなので、住職に扉を開けていただき、
中へ入って、観音像を見ることになりました。
確かに、左手に水瓶(すいびょう)を持ち、
右手は邪気を祓い切るかのごとく、
刀印を結んでいました。
堂内左手には、
福島県の復興祈願の仏像が
ありました。
拝観を終えたので、帰るのですが、
帰りは山門(仁王門)から出ました。
どうやらこちらが表門のようです(汗)
門の前は広々としていて、そこには、
鉄製の狛犬や菩薩像などあったりと、
これまた混沌とした感じ。
あったりします。
何だか全体的にお寺のテーマパークと
思えるような、見所がギュギュッと
つまった観音寺ですが、
開基は昭和26年(1951)という、
比較的新しいお寺です。
もと実業家だったという、
大僧正睦賢和尚によって、
建立された当寺は、
私財を自分のためから、
世の人々のためにと気持ちが
シフトチェンジしたのでしょう。
結晶のように見えます。
御朱印、拝受いたしました。